お墓の管理は何をすればよいの?
お墓を購入すると、寺院や霊園に管理費を支払いますが、これで購入したお墓の管理を全て任せられるということではありません。購入したお墓とその区画内の管理は、あくまで購入者とその家族が行うべきものです。では、管理とはなにを指し、購入者はどんなことをすれば良いのでしょうか。お墓の管理について考えてみましょう。
お墓の管理とはなにを指すの?
お墓の管理と言った場合、管理とはどのようなことを指すのでしょうか。大まかに分ければ、次の2つが挙げられます。
住職や霊園管理者がするお墓の管理
寺院の住職、あるいは霊園の管理者が行う管理は、主に墓地・霊園の中の共有部分や施設・設備に関するものになります。具体的には管理棟、通路、水汲み場、ゴミ焼却場、トイレといった設備の清掃や修理・修繕などがそれに当たります。その費用は、お墓を所有する人が支払う管理費などによってまかなわれます。
遺族が行うべきお墓の管理
お墓を建てた人が購入した区画内は、購入者が管理しなくてはなりません。草むしり、植木の剪定、区画内と墓石の掃除などは遺族の役目です。そのためには定期的なお墓参りが欠かせません。お墓の管理をする人がおらず荒れ放題になっていると、故人や先祖が悲しむだけでなく、近くの区画の遺族や墓地や霊園の管理者にも迷惑をかけることになります。
昨今では、忙しい人のためのお墓参りの代行サービスも登場しています。もしもお墓が遠方でなかなか訪れることができないといったときには、こうしたサービスを利用することも検討してみましょう。
お墓の管理の大切さ
遺族にとって、お墓の管理をすることは責任であり善行です。故人の命日、お盆、お彼岸などにお墓参りをし、お墓とその区画を掃除して、墓前で手を合わせることは日本の良き慣習でしょう。故人を偲び、ご先祖様を思うことで、自身の人生についても振り返ることができます。
また、お墓の管理は購入者と同時に、できるだけその家族も共に責任を分かち合うべきものでもあります。子供や孫たちとも一緒にお墓参りに出かけて、共にお墓の掃除や手入れをすることで、次の世代へとお墓を引き継いでいく、そのことを伝える機会ともなるでしょう。
お墓の管理のために改葬する人も
近年ではお墓の大切さ、お墓参りやお墓を管理することの意義を考え直す人も多く、たとえば地方から東京に出て暮らしている人が、故郷の墓地・霊園から近くの墓地・霊園へとお墓を移す、いわゆる改葬を行うケースも見られます。現代人はお墓と縁遠くなっていると思われがちですが、逆に若い世代にお墓を管理し、守ることに積極的な人たちが現れていることは特筆すべきことでしょう。
お墓が生活圏の近くにあれば、お墓の管理もぐっと身近なものになるかもしれません。もしも現在、住まいからお墓が遠くにあるために管理しづらいという場合には、改葬も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。