故人の身近に感じることが出来る手元供養とは

故人の身近に感じることが出来る手元供養とは

故人の身近に感じることが出来る手元供養とは

「手元供養」をご存知でしょうか。自宅などで故人を供養するスタイルの一つで、故人を身近に感じることができるのが特徴です。近年、実践する人が増えてきた供養の新しい選択肢、手元供養についてご紹介しましょう。

手元供養とは

手元供養とは、遺骨や遺灰の一部を身近に置いて供養することを言います。お墓が遠方にあってなかなか訪れることができない人などを中心に、この手元供養というスタイルを選ぶ人が増えています。自宅供養と呼ばれることもあります。

なお、家族の遺骨や遺灰を自宅で保管すること、持ち運ぶことには法律的な問題はありません。1948(昭和23)年制定の「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」には、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」という条文がありますが、これは自宅の庭などに遺骨・遺灰を埋める行為を禁じているものです。しかしながら、土中に埋めるのではなく、保管する、持ち歩くことに違法性はないということを知っておきましょう。

手元供養の例

手元供養には主に次の2つのパターンがあります。

遺骨を容器に入れて保管する

遺骨や遺灰を小型の納骨容器、骨壷などに入れて自宅に安置し、供養するパターンです。容器の形などにとくに規定はなく、シックな雰囲気からポップなテイストまで様々なデザイン、素材、サイズのものが市販されています。仏壇がなく、床の間やサイドボードなどに置いても違和感のない容器も多くあります。また、遺骨をプレートやオブジェとして加工し、自宅のリビングなどに飾る方法もあります。

遺骨をアクセサリーなどにして携帯する

遺骨や遺灰の一部をペンダント、ブローチ、リング、イヤリングなどに封入して身に付けるパターンです。とくに気軽に身に付けられるペンダントは人気があります。あるいは、遺骨から炭素を抽出して加工すれば、合成ダイヤモンドを製造することも可能なので、遺骨や遺灰の一部を使って指輪などを作ることもできます。
こうしたアクセサリーやジュエリーは常に肌身離さず持ち歩けるのが良いところですが、紛失したり壊してしまったりする可能性もゼロではないので要注意です。

手元供養で大事なこと


手元供養によって得られるメリットは、いつでも故人を身近に感じられることです。お墓にはなかなか足を運ぶことができなくても、自宅で供養でき、そのことで自分自身の気持ちが落ち着くという人もいます。

しかし、手元供養を実行するとき、お墓を建てずにすべての遺骨を手元に置くというケースはまれです。多くの場合はお墓や納骨堂に遺骨を納め、その一部を手元に置く「分骨」を行うことになります。分骨を実施する際は火葬場の管理者、もしくはすでに納骨している場合は墓地の管理者に相談して、分骨証明書(火葬証明書)を出してもらいましょう。手元供養自体は違法ではありませんが、将来、墓地・霊園に遺骨を納めることになったときは証明書が必要になります。
また、手元供養ではないほうのお墓を合祀墓などの永代供養墓にすれば、供養のためにかかる費用を低く抑えることもできます。実際に、近年は永代供養と手元供養の組み合わせを選択する人が増えているようです。

いずれにしろ、手元供養をする際は、故人に関わりのある人が集って手を合わせられる場所として、別にお墓を持っておくことをおすすめします。
たとえば配偶者が亡くなったときに手元供養を選択したとして、次に自分が死んだ後に配偶者の遺骨、そして自身の遺骨をどうするかという問題が残ります。そのときお墓があれば、一緒にそのお墓に入ることができるでしょう。事前に遺言書やエンディングノートという形で、自身の遺骨の扱いについて記述しておくことも大切です。

現代では、従来と同じようにお墓を建ててお参りするだけでなく、供養の仕方が多様化しています。遺骨や遺灰をどのように扱うか、ご家族で供養のあり方を話し合い、考えてみてはいかがでしょうか。

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